障害を持った園児の話し

最近増えている発達障害。適切なサポートで未来を明るく!

意外と多い発達障害

発達障害という言葉はよく聞きますが、それはどんなものなのでしょうか?

実は、何らかの発達障害を有している人の割合は比較的多く、全人口のおよそ10%はいるのではないかという見解もあるようです。

発達障害として挙げられる主な3つの種類は、

・コミュニケーション能力が低く、反復行動などがみられる「自閉スペクトラム症(ASD)」

・集中力が続かず、多動性、衝動性の見られる「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」

・読み書きや計算、話すことなどに困難が生じる「学習障害(LD)」

です。

特に近年、増加傾向にあると言われているのが、注意欠陥・多動性障害(ADHD)です。

“大人のADHD”というものを度々耳にするようになりましたが、特に男の子の場合、幼少期の行動パターンからADHDだと判明することが多いです。

保育園でのADHD

保育園で「もしかしたらこの子は……?」と気になる子には、ある特徴があります。

 

まずは不注意な点があることです。

話をしても上の空で聞いていなかったり、物をすぐになくしてしまったり、ちょっとしたことで気が散って集中できていない素振りが目立ちます。

自分の好きな遊びやおもちゃなどには時間を忘れるほど熱中するのに対し、それ以外のことは集中力が続かず、途中ですぐに投げ出してしまったりします。

 

次に、落ち着きがなくじっとしていられない点があることです。

椅子でじっと座っていられなかったり、静かにしないといけない場面でおしゃべりをしてしまうなど、忙しない行動が目立ちます。

相手が話している最中でも、自分が話したい内容があれば構わず話し出してしまうこともあり、保育士は何がいけないのかを教えるのに苦労するようです。

 

最後に、衝動的な行動があることです。

お友達が遊んでいるおもちゃが欲しくて無理やり奪い取ってしまったり、嫌なことがあれば手を出してしまったりなど、暴力的に見えることもしばしばあります。

その行動が良いことなのか悪いことなのかに関わらず、自分のやりたいと思ったことをやってしまうため、場合によってはお友達ができないなど、周囲と孤立してしまうこともあります。

 

一般的に、これら一つだけの特徴が見られることより、複数の特徴がみられることのほうが多いです。

そして乳幼児の場合は不注意という特徴より、多動性衝動性のほうが多くみられます。

多動性衝動性は男の子のほうにより多く見られる傾向で、不注意な面が出やすい女の子は乳幼児期にはADHDだと思われず見過ごされるケースが多いようです。

保育園での接し方

保育園でADHDの子と接するには、できるだけわかりやすく説明する必要があります。

ADHDの子が物事を理解しやすいように、何かを説明する時はイラストを使ったり、短く分かりやすい言葉で伝えるようにします。

「今はお口は閉じようね。」「椅子に座ったら先生を見てね。」

など、言葉とイラストで具体的に説明することで伝わりやすくなります。

ADHDの子はどうしても衝動的な行動が目立ってしまいますが、決して声を荒げたり頭ごなしに否定してはいけません。

幼少期から叱られ続けると自己肯定感が低くなってしまい、うつ病や不安障害になりやすくなってしまうからです。

「○○はいけないことだよ。」「次からは△△しようね。」

と具体的に注意して、それができた時はめいっぱい褒めてあげることが重要です。

 

そして、本人だけでなく保護者も上手くサポートする必要があります。

我が子が発達障害を持っていることで、「他の子とは違う。」「どう育てていけばいいのか分からない。」と、疲弊し悩む親がほとんどです。

そのため保護者には今日できた良かったことを多く伝えるようにして、できなかったことは簡潔に伝えるようにし、子育てに不安を抱かないよう配慮する必要があります。

場合によっては地域の施設と連携することにより、子育てに悩む親が孤立してしまわないようサポートすることが大切です。

上手くサポートして親子を支える

我が子が発達障害を持ち、子育てが上手くいかないことが続くと、不安に駆られることもあるかもしれません。

しかし適切に導くことができれば、素晴らしい才能を発揮する子も大勢います。

障害の有無に関わらず、結局は周りの大人たちの接し方によって人はいくらでも伸びていきます。

そのためには周りが発達障害について理解を示し、できる範囲で適切なサポートを提供する必要があると感じます。

kitsuneko22著