子供を育てるというのは、とても体力や気力が必要ですよね。
私の子供は、既に社会人となって立派に仕事をしておりますが、その子供の様子を見ていると、あの時頑張って育てて良かったなぁとつくづく思います。
そしていつも私は、あの時のとある出来事を思い出すのです。
今回は、子供が2歳だった時の私達新米夫婦の大きな悩みについてご紹介したいと思います。
もしかしたら、皆様にも経験があるかもしれないので必見です。
平凡な家族と日常
私達夫婦は同じ大学で出会い、卒業後もご縁があって結婚することになりました。
私は営業のお仕事に従事し、妻はデザイナー関連のお仕事でした。
それぞれ残業もあまり無い環境でしたので、定時の仕事を終えてお互い帰宅し、平凡な日常生活を送っておりました。
少しお恥ずかしい話ですが、私達夫婦には、当時「子供が居なかった」からなのか暇な時間が多くあり、食事も別々に摂っていました。好きな時に食べて、好きな時に寝る。そんな日常を送っていたのです。
長らく夫婦2人だけの生活が続きましたが、ある一定の月日が経過した時に子供を作ろうというお話になったのでした。
「子供の面倒を見る為にも、お仕事を休まなくちゃね」
妻は、出産後の産後休業に続いて育児休暇を取ることになりました。
子供の健康も問題なく順調に日々が経過し、子供を通わせる予定の保育園の下調べも準備万端でした。
本当でしたら、ずっと妻には専業主婦として子供に付いていてほしいのですが、私達で相談した結果、養育費や生活費を考えるとそれは難しいという結論に至ったのでした。
妻の育児休暇が終わりが近づき、いよいよ保育園に預ける時期が近づいてきました。
「ここの保育園は、認可保育園だから給食が付いているみたいだね」
保育園には主に2種類あり、国の基準によって設備を整られた「認可保育園」、国の基準を満たしてはいない「認可外保育園」があります。私達の子供を預ける予定の保育園は認可保育園で、国の基準によって調理室が必ず設けられている施設です。
妻も朝からお弁当を作らなくていいと、ホッと胸を撫で下ろしていましたが、
実は、この保育園の給食が大きな悩みの種となってしまったのです。
(正確には、保育園の給食ではありませんが)
今思い出せば、少し情けなかったような問題だった気がしますが、それでも当時の私達にとっては大きな問題だったのです。
まさかの悩み?
私達夫婦二人だけの生活だった時、実は、妻はあまり料理をしなかったのです。今思い返してみても、外食の時以外はほとんどご飯を一緒に食べなかったと記憶しております。
(まぁ、別々に食べていたし、作るっていっても出来合いのモノを温めたりするだけだったような…)
そんな中、子供が離乳食を離れ、妻が手料理を子供に直接食べさせるようになった時の事です。すでに保育園も始まっております。
「やだ!」
夕食時に子供が叫びました。
(お母さんがせっかく作ってくれたご飯だぞ)
私は、そう子供に言ってあげたかったのですが、その言葉を口に出すことは出来ませんでした。
(うーん…まさか…)
そうです。
お昼の保育園の給食は美味しいらしいのですが、夕食の妻の料理が残念ながら不味いということだったのです。
「…」
さすがの妻も子供がご飯を残しても何とも言えず、ただただ下を向いて落ち込んでおりました。
この問題の重大な点は、夕食を食べないので一日に食べる量にも偏りがあり、食生活に悪影響を及ぼす可能性がある事でした。給食があるから夕食は食べなくていいなんて事はありません。
(まさかこんな問題が勃発するとは…)
私は、妻に言いました。
「でも、母親は君しかいないんだから、いつかきっと食べてくれるよ!最初は、複雑じゃない料理から少しずつ増やしてみたらどうだろう?」
妻も落ち込みながらも何とか私の言葉に頷いてくれ、それからは、妻と家庭料理との死闘が始まったのでした。
救いの手?
保育園の給食は美味しいが、家の夕食は不味い。
こんな状況に焦っていた妻は、保育園にこの事態を相談することにしました。
すると、ありがたいことに保育士さんが保育園の調理師さんに相談してくれたみたいで、簡単だけど美味しく作れる料理のレシピを一部教えてくれたらしいのです。
(なるほど、給食と同じような味なら、もしくは…)
その時は、今までに見たことの無い所作と顔で料理を作っておりました。
そして夕食、教えていただいたレシピの料理がついに完成しました。
子供は、すぐ料理には手を出さなかったのですが、一口食べたら、少し間を置いてまた一口、また一口と食べてくれました。
「美味しい?」
妻が子供に尋ねると、
「うん!」
子供が元気よく答えてくれたので、私も妻も本当に安心しました。
そして、その時妻が少し泣いていたので、私も少しウルっとしてしまったのを覚えております。
私達は、保育園の方達に感謝の気持ちで一杯でした。
現代における尽きない悩み
以上ここまで、子供が2歳だった時の私達新米夫婦の大きな悩みについてご紹介しました。
今回の悩みは、もしかしたら他の家庭にも起こり得る出来事かもしれませんね。
今回の私達の悩みというのは、子供が病気だったり、保育園に入園させられなかったり、そもそも生活費が足りなかったりと、厳しい問題を抱えているご家庭と比べると大した事は無いかもしれません。
しかし、子供を育てていく上で母の手料理も重要な要素だと思います。
もし、同じような経験をお持ちのご夫婦がおりましたら、是非子供の為にもレシピを模索してみて下さいね。
diary.st著