幼児期の子を持つ親がぶち当たる選択として、我が子を保育園に預けるか、幼稚園に預けるかという事がある。
保育園と幼稚園には各々のメリットとデメリットがあり、それぞれの家庭状況によりどちらの選択が正しいかという事は一概には言えないであろう。
そこで保育園と幼稚園それぞれの良いところと課題にフォーカスを当ててみて、どんな選択の仕方が最適解なのかを考えてみる事にした。
[共働き世帯には有難い保育園]
親世帯と同居をしておらず、尚且つ夫婦共働きの家庭というのは都市部を中心によくあるケースと考えられる。
保育園の場合は幼稚園と比べると年少の段階で尚且つ、長い時間お子さまを預ける事ができるという利点があり、親に子どものお世話を頼むのが困難な家庭状況であれば保育園は有難い存在なのではないだろうか。
幼稚園の場合は時間が限定されているケースが多く、尚且つあらゆる行事に参加しなければならない事も少なくはないので、夫婦共にフルタイムで働らくというスタイルである場合においてはかなりハードルが高いのではないだろうか。
[子どもの教育を考えるならやはり幼稚園か]
一方、幼稚園のメリットを考えてみると、真っ先に思い浮かぶのは教育の充実というところではないだろうか。
字の読み書きの教育や歌や楽器の演奏などの音楽教育、あるいはのりやハサミを使った工作やらお遊戯会の演劇に至るまで、心身の成長に不可欠な教育を施して頂ける要素が詰まっている幼稚園教育はお子さまをお預けするにあたっては大きな魅力になるであろう。
因みに私自身は幼稚園を卒園しているし、私の一人娘も同じく幼稚園を卒園している。その経験を通して感じる事は、その後の小学校の学習にスムーズに入れるという感覚が非常に強く印象に残っていたので、幼稚園のメリットを考えると、これらの事は外せない利点であることは間違いないと云えるのではないだろうか。
[競争率が高い保育園]
共働き世帯には有難い保育園ではあるが、デメリットもある。評判の良い保育園であれば特に競争率が高いという事がある。よって必ずしも希望する保育園に入園できるとは限らないという問題がある。待機児童の話題がニュースで報じられたり、SNS上で炎上した事は記憶に新しい出来事ではないだろうか。
問題を根本的に解決するためには保育士の人手不足を解消するために待遇を見直すであるとか、共働き世帯の収入を賃上げなどの対策で向上させ、夫婦の片方はパートタイムへ移行できる位の余裕を持たせたいものだ。
子どもの面倒を見ることができる時間の余裕があれば幼稚園に通わせるという選択肢も生まれ、保育園に応募する競争率も適切な範囲に納まることが望まれる。
[年齢条件さえ満たせば入園可能な幼稚園]
保育園の競争率について言及したが、幼稚園については年齢の条件さえ満たせば入園が可能というところは大きなメリットだ。
課題は子どもが幼稚園で過ごせる時間が限定されている事。あるいは夏休みや冬休みなど長期の休暇が設定されているがところが共働き夫婦の世帯にとっては壁となってしまうところだ。
預かり保育を利用する。両親の協力を得て面倒をみてもらう。夏休みなどの期間に限定して職場での時短勤務を交渉してみるなどそれに対する方法は何通りか検討できる事はあるだろう。また、通常は幼稚園に行かない期間や時間帯に預かり可能な制度がある幼稚園もある様なので、よく調べたうえで幼稚園に通わせるのが可能かどうかを判断していくのがよいだろう。
[複合型の仕組みなんてどうだろうか]
これまで述べたように幼稚園と保育園というものは、それぞれにメリットとデメリットというものがある。
そんな事から私はその区分を取っ払い、互いの足りない部分を補い合うような複合型の施設を作ったらどうだろうと考えた。
例えば、幼稚園の入園条件に満たない子どもを保育園と同じように預ける事が可能で年齢を満たしたら自動的に幼稚園に入園できるというシステムにしたらどうだろうか。
そして、幼稚園が夏休みなどの長期休暇に入ったならばその期間は保育園のようなサービスで預ける事を可能とする。幼稚園児としての活動以外のサービスを受ける場合に応じて費用が発生するという形として、家庭の状況に応じてサービスを選択できるという多様性に富んだ現代の生活スタイルに対応した柔軟な仕組みとして考えた次第である。
保育園にしても幼稚園にしてもそのあり方を見直す時代に入ったのかもしれない。
s_hirama1-6著