私が働く会社では産前産後や育児休暇などが充実していて、多くの人が利用しています。コロナ禍では、妊娠中の女性は、すべて特別休暇としてお休みを取ることができました。そんな恵まれた環境でも、やはり仕事と育児の両立が難しいと判断する人もいます。今回は私の職場でのエピソードをもとに、その原因と解決について考えてみます。
事例
私の職場での出来事です。コロナ禍の特別休暇(妊娠中の人への配慮がありました。)を含め、産前産後休暇と育児休暇を経て、職場復帰した職員がいました。休んだ期間が長く仕事復帰のリハビリも大変そうです。
そして、彼女が職場復帰して間もなくその出来事は起きました。保育所から「子供が熱を出した」と連絡があったのです。その日彼女は慌てて帰宅の準備をし、帰って行きました。この職場では、よくある出来事なので、特に気にもしていませんでした。
しかし、彼女が出した結論は違いました。
すぐに帰らなければならないことが何度も続くと、働くのが難しいというものです。確かに彼女の住まいは職場から非常に遠く、保育所から呼び出されてもすぐに戻れる距離ではありません。最終的に、彼女は退職することになりました。
問題点 5つ
- 長い育児休暇後の職場復帰の困難さ
- 保育所の対応時間の限界
- 職場と保育所の距離の問題
- 育児中の労働環境の問題
- 育児支援の不足
問題の原因と解決
①長い育児休暇後の職場復帰の困難さ
育児休暇から、せっかく復帰しても、子供の急な体調不良などで保育所から連絡が入り早く帰る状況が続くと、働くことが難しくなります。
そこで、育児中の職員が柔軟な働き方を選択できるようにすることで、急な休みや早退に対応しやすくなります。一般的にはリモートワークやフレックスタイム制度の導入などが考えられます。
私たちの仕事はシフト制なので、多くのパターンの働き方がありました。もちろん短時間の勤務があるのですが、今回は彼女はどのパターンも希望せずに退職を選んだと言うことになります。もしかすると、長い休暇期間の中で、彼女の働くことへの意識が薄くなっていたかもしれない、と今になって思います。
②保育所の対応時間の限界
保育所からの急な連絡に対して、すぐに対応できない場合が多いことは問題です。特に、職場から遠いとすぐに迎えに行けないため、子供の世話と仕事の両立が難しくなります。職場と保育所が連携し、子供の急な体調不良などの際にスムーズに対応できるようにすることが必要です。もちろん、職場では呼び出しがあればすぐに帰宅できるようになっています。しかしながら、距離については、どうすることもできません。先に保育所に相談しておくことが大切です。
③職場と保育所の距離の問題
住まいと職場、保育所の距離が遠いと、子供の急な体調不良などの際にすぐに対応できないという問題があります。距離的な問題は、会社側ではどうすることもできません。職場の近くの保育所に、なんてことも、現実的にはできるはずもありません。仮に、職場に保育所がついていたとしても、通勤電車の中を子供を連れてくることは難しいでしょう。子供に急な不調があった場合のことについて、保育所と先に話合う必要があります。時間がかかることも先に相談することで、何らかの回答があるはずです。保育所はワーキングママの味方であるはずなのです。
④育児中の労働環境の問題
子供の体調不良に対応するために職場を早退しなければならない状況が続くと、結果的に退職をするしかないことがあります。この場合、これに対する職場の柔軟な対応が必要です。ただ、これは本人の「やる気」があってこその話です。この職場では、保育所から連絡があった場合にすぐに帰宅できる体制は整っています。また、フルタイムでの勤務が難しい場合のシフトも用意されています。その制度を利用し多くの職員が子育てと仕事を両立しているのです。もし、本人に仕事を続ける意思がない場合はどうにもなりません。コロナ禍からの長期の休みの間に「働きつづける」ことへの迷いが出たのかもしれません。保育所まで距離や時間、呼び出しが多いことは職場復帰する前にわかっていたはずです。厳しいかもしれませんが、本人のやる気あってこその職場の制度なのです。
⑤育児支援の不足
子供の急な体調不良に対応できるような育児支援が不足しているため、育児中の親が仕事と育児を両立するのが難しくなっています。もしかすると、既に準備されている可能性もあります。その情報が、必要とする家庭に伝わり、誰もが利用できることがとても大切です。育児中の家庭には地域の育児支援が必要。核家族化が進む中、地域のサポートを必要とする家庭がとても多いと感じます。
最後に
今回は私の職場でのエピソードを元に育児と仕事の両立の難しさについてお話しました。最後まで読んでいただきありがとうございます。