お母さんが保育士の場合

キャリア女性の退職理由|保育園に外れて子どもの預け先がない

近年、女性の社会進出が進み、重要な役職につくことも多くなりました。私が働いている職場も例外ではありません。
ただ、産前産後はもちろん育児休暇も使えて順調に見えた人が、急に子どもを理由に退職することがあります。
私には子どもがいません。しかし、育児に関して女性がキャリアを犠牲しがちな現実に不公平感を感じることがあります。
今回は一つのエピソードをもとに、その原因と解決について考えてみます。

事例|退職理由:子どもの預け先がない

この春、管理職の女性が退職しました。
理由は「子どもを預けるところがないから」
保育所への受け入れが100%の地域もありますが、彼女の住む市では残念ながら運次第。今春の保育所の募集に外れてしまい、やむを得ず退職を決意したそうです。それなら実家は?と言いたいところですが、残念なから遠方で頼ることはできません。
会社には長期休暇制度があるのですが、今回のようなケースは該当しないそうです。
そんなこともあるんだと、かなり驚きました。
そして、保育所に預けるためには、多くの条件と優先順位があるというのです。

問題点 5つ

  1. 保育所の受け入れ枠の不足
  2. 家族のサポート不足
  3. 企業の制度で守れなかったこと
  4. 保育所に預けるための条件が厳しい。
  5. 女性のキャリアへの影響

問題の原因と解決

①保育所の受け入れ枠の不足

彼女の住む市では保育所の受け入れが「運次第」。保育サービスを確実に受けられる保障がないことが大きな問題です。これは、保育所が足りないことが原因かもしれません。保育所を増やしたり、今ある保育所を大きくしたりして、受け入れ可能な子どもの数を増やす必要があります。そのためには、政府や自治体の助けが必要です。

地域差の問題もあります。
保育所への受け入れが100%の地域もあるのに、彼女の住む市ではそれができない。それは、保育所を必要としている人たちにとってはとても大きな問題てす。この問題をなくすためには、良い地域のノウハウを取り入れていく必要があります。どの地域でも必要としている人達が100%保育所を利用できるようにすることが大切なのです。

②家族のサポート不足

実家が遠くて家族の助けを受けられないことも原因の一つです。これは核家族化が進んだ現代では、多くの人が抱える問題といえます。実家が遠くて頼れない場合でも、地域の育児支援ネットワークを使えるようにするための取り組みがあれば状況が大きくかわります。例えば、地域の育児支援センターやボランティアのサポートはどうでしょう。一時的なことではないので、問題は山積みですが、家族のサポートの代役として少しは役に立つのではないでしょうか。

③企業の制度で守れなかったこと

会社に長期休暇制度があるものの、今回のケースには適用されない。というのも意外でした。育休明けに保育所が見つからなければ育児休暇を延長できるほど柔軟な対応があります。しかし、少し大きくなった子どもをあずける保育所が見つからないという理由では、長期休暇の制度は使えないのです。
在宅ワークができる部署に異動するのも一つの考え方だと思います。柔軟な働き方が部署によってはできるはず。そう考えると、会社側と本人が既に話し合い済みで、その結果、彼女は退職を選んだ可能性もあります。仕事から一旦離れても、会社には復職制度があるので、気が向いたらまた戻ってくるかもしれません。

④保育所に預けるための条件が厳しい。

保育所に預けるための条件が厳しいのも大きな問題です。その条件の満たし具合で優先順位が決まり、満たさないと保育所を利用できない。これは働く人にとっては大変なことです。
条件をもっとゆるくして、多くの家庭が利用できるようにする必要があります。保育所に子供を預けることを前提に働く人がほとんどです。その大前提が突然「今年は預けられない」となれば、生活環境が一変したり、今回のように仕事を辞めざるを得ない状態に陥ります。
保育所に入るための基準や手続きがはっきりわかるようにして、みんなが公平に扱われるようにすることも大事です。

⑤女性のキャリアへの影響

保育所に預ける場所がないために、仕事を辞めるという現実は、女性のキャリアに大きな影響を与えます。こういった場合、仕事を辞めるのはいつも女性です。男性のキャリアばかりを重視されがちですが、女性にとっても今まで積み上げたキャリアはとても貴重なものです。そして収入の有無は、その子供が成長する過程で必要な費用にも影響します。万が一、将来、離婚する結果になった場合の生活レベルにも大きな差がでるのです。そう考えると女性が育児と仕事を両立できるようにするための支援が必要です。

これらの問題を解決するためには、保育所の受け入れ枠を増やしたり、地域差をなくすことが不可欠です。また、家族や地域社会による育児支援も必要。企業が柔軟に働ける制度や育児休暇制度を、前向きに考えることも重要です。今回は子どものあずけ先がなく退職した、管理職女性のエピソードをもとに原因と解決について考えてみました。最後まで読んでいただきありがとうございました。